クラムボン
LOVER ALBUM
いろんなアーティストの曲をクラムボンアレンジで仕上げたカヴァーアルバムである。先に言っておくと私は、ほとんどオリジナルの曲を知らずにこのアルバムを買った。だから、限りなくクラムボンのアルバムという気持ちで聴き続けている訳だが、カヴァーの醍醐味ってオリジナルをいかに調理しているかって部分だと思うし、そういう点でも岡村靖幸のカルアミルクは物凄くツボにハマった。でも、そんな中でもブッちぎってしまったのが、5曲目Small Circle of Friendsのカヴァー「Waver(波よせて)」である。
これ検索で【クラムボン 波よせて】を調べてみると判るように異常に高い評価が伺える。この曲には特殊な魔法がかかってるんですよ。もうね、これは断言していい。魔法かかってる。それでね、この魔法に対して弱い属性の人が聴くとノックアウトされます。歌詞で、アレンジで、世界観で、HPはどんどん奪われます。レベル1で大魔王を前にしてしまったようなお手上げ状態。とにかく歌詞を聴いてほしい。そして、そこに乗るリズムを感じて欲しい。波よせて。この曲は凄いから。


フリッパーズ・ギター
ヘッド博士の世界塔
91年発売。小沢健二とコーネリアス小山田圭吾のフリッパーズギターラストアルバムである。結論から言うと本当にかっこう良く、音楽と声、そして詩の存在感が見事に絡み合ってセックスして放出された精液みたいな出来栄えだ。サンプリング手法で賛否両論らしいが、間違いなくオススメなので買って聴いてみてください。ブックオフ行けばあると思います。2曲目に何を置くかってアルバム作りにおいて重要なところだと思うんです。1曲目で幕が開き、2曲目に主役登場!的な流れを作らないといけない。だから、1曲目と2曲目はセットとして考えてもいいくらいなんです。そういう意味でもヘッド博士の世界塔は完璧。前に書いたくるりのTEAM ROCKと同じ素晴らしきコンボである。
どうでもいいのだが、最近のMacのCMのマック役をずっと小沢健二だと信じて疑わなかった。ごめんなさい。


ACO
absolute ego
99年の作品。手元に置いて損はしない1枚。とにかくアンニュイな人である。甘美な歌声といえばそうなんだろうが、個人的にはアンニュイな歌声と形容したほうがしっくりくる。もちろんいい意味で。99年といえばバブル崩壊数年経ち、ノストラダムスだなんだと根拠のない緊張感を人類が抱いた年だ。そんな中、彼女が、けだるく「悦びに咲く花」を唄う様は、社会に対する露出プレイのようでエロスの極みだ。

すかんち
ダブルダブルチョコレート
拝啓ローリー寺西様。貴方はとてもかっこいい。当時「楽曲のアイデアは湯水のように溢れ枯れることがない」と豪語していましたね。それを証明するかのようにダブルダブルチョコレートをリリースしたのです。2枚組で21曲。手塚治虫の火の鳥未来編に出てくるロボットを唄った【ロビタ】など名曲の極みだと思っております。貴方はとてもかっこいい。渋谷PARCO劇場に貴方のシャンソンショーを観に行きました。貴方はアンコールでファンから貰った多くの花束を床に敷き詰め出して、そこにダッシュ&ダイブしましたね。私は小便が漏れそうになるほど感動いたしました。でも貴方は記憶する限りひとつだけウソをつきました。その昔、「ロックンロールスターとして死ぬまでこのロングヘアーを短くするつもりはない」と言いましたね。ハッキリと覚えております。拝啓ローリー寺西様。そんなお茶目な貴方ですが、これからも私の中でかっこいい男ナンバー1でございます。

m-flo
Planet Shining
LISA参加時のm-floである。2000年頃の作品で結構売れたのだが、なんかLISA時代はなかったことにしたいのかなーって根拠はないが思ったりする。LISAも離脱してから、かなり方向性で悩んでいるように見える。余計なお世話か。でも最近彼女のインタビューで「いろんなジャンルの音楽を取り入れたい」的な発言をしているのを聞いたりするとアップアップなんだなぁって思う。そういう意味でm-floの2人は上手く彼女の素材を活かしていた訳で、その魅力を存分に出しているアルバムがコレ。
そういえばLISAの公式サイトには、もはやm-floの文字はどこにもない。ディスコグラフィーを見てもソロ第1弾シングルが、まるで彼女のデビューみたいになっているのは興味深い。あ、過去を忘れたがっているのは彼女のほうなのか!


SMILE
SMILE-GO-ROUND
スマイル。これは1995年に出したファーストアルバムでおそらく現在は廃盤である。ブックオフなんかで見つけたら絶対オススメなので買ってみてください。この中のシングル「明日の行方」という曲があって、それがデビュー曲。有線リクエスト回数が多く、半年くらいに渡りスピーカーから流れていた。その頃、私は赤坂のビックエコー(潰れた)でバイトをしていて、この曲がかかる度にすっごく気になってしまい、バイト中に有線へ電話をして初めてそれがスマイルというアーティストであることを知った。と、それくらい素晴らしい名曲なのだが、デビュー曲があまりに自我を持ちすぎたために、その後の曲作りは相当苦しみ何を作っても「明日の行方」の呪縛から逃れる事はできなかった(想像)。ま、そんなこんなでこのファーストアルバムはとても優れています。必聴。

ユニコーン
スプリングマン
ユニコーンである。おそらく自分が最も影響を受けたバンドである。20代前半に聴いていた音楽の半分はユニコーンかもしれない。その中でも解散直前に出たアルバム「スプリングマン」は名盤の極みだ。このアルバムの最大のキーワードは解散という部分。バンドが解散するっていうのは、かなりシビアで複雑な理由が絡み合っていたりする訳で、アルバム全体を通して見事なほど一貫性がない。これはアルバムにおいて致命的だ。でもスプリングマンはその逆境をテーマとしてひとつのアルバムとして完成度を高めている。ドラムが途中でヤメたことも、楽曲半分くらいのボーカルが民生じゃなく各メンバーという冗談みたいな構成も、すべてひっくるめてスプリングマンである。そして民生はアルバム後半で、「スプリングマンのテーマ」を唄うのだ。まわりの人が飛びついて君はスゴいと褒められた…と唄い知らぬ間に周囲に持ち上げられて苦悩する姿は当時の民生、そしてユニコーンというバンドそのものだったに違いない。ちなみに阿部ちゃんが月のワーグナーという曲を唄ってます。泣くから是非聴いてください。本当に泣くから。

くるり
TEAM ROCK
アルバムの曲順決めって大切な要素だったりして、くるりの場合、2曲目にワンダーフォーゲルを選んだ時点でアルバム製作という試合に勝ってしまったのだと思う。TEAM ROCKからワンダーフォーゲルに続く流れは天才的である。この時点で対戦相手はグロッキー。9曲目のばらの花のイントロで相手セコンドはタオルを投げるのだ。

ドラゴンアッシュ
Buzz songs
この前に書いたボニーピンク同様、自分の中ではこのBuzz songsでドラゴンアッシュは完結してる。このアルバムは最高だ。誰も彼らにクォリティの高い純ヒップホップなんて求めていないと思う。Buzz songsはやりたい事をやるという感じが伝わってきて良かった。漠然たる権力に挑戦する意気込みを感じるし、なにより音がカッコいい。1年後のアルバムViva La Revolutionまでは許せる。それ以降は興味を失った。時代を意識しすぎて自分たちの持ち味を失ってしまった。そんな気がする。女にモテタイがためにバンドをはじめる高校生のようになってしまった。例えるならそんな感じだ。

ボニーピンク
Heaven's Kitchen
最近なにやら例の新曲が好調でやたらとテレビ出まくったり、女優やったり忙しそうですが、私にとってのボニーピンクは10年前のヘブンズキッチンで完結してたりします。それ以降はよく知りません。でも、それでいいんです。1曲目のHeaven's KitchenからIt's gonna rain!、Lie Lie Lie、Farewell Alcohol Riverと独自のリズムと湿気の感度で心地良くアルバムにおいての完成度を高めてます。この人はメジャーの似合わないアーティストなんです。メジャーを目指してはダメだと思うんです。履歴書に「職業アーティスト」と書くより「職業ボニーピンク」と書いて欲しい。そんな感じです、はい。それにしても彼女、ある時を境にビジュアルを押し出してきた。その辺、なんか面白い。夏休みに彼氏出来て急に自信つけた女子高生みたいだ。

巨乳まんだら王国
王国民洗脳教育セット
はじめて彼らを目にしたのはフジの深夜の音楽番組だった。ダッチワイフをドラム担当と紹介していた(本当にダッチワイフがドラムを叩いていた)。まぁ、よくあるお下品コミックバンドなんだな、と思いつつも、どんな演奏なのかなと気になり観ていた。
はじまった。
曲は「割礼カレー」

翌日から彼らのCDを探し回ることになった。


minimal Hugg
ROCK STOP PANIC
人それぞれ琴線に触れる音源というものがある。自分の場合はデジタル音源がベースにあって、そこにロックであったり、日本語がかぶってきたり、静寂と喧騒が融合してきたりするともう「感動」のラインに達する訳だ。昔でいうとバニラなんてバンドがあって、ものすごくベタなデジタルJポップバンドだったのだが(ドラムはユニコーンの西川氏)好きな音だった。
そんなこんなでミニマルハグを聴いたとき、「やばい」と思った。無茶苦茶かっこいい。デジタルとギターにメロディアスな要素。琴線ビンビンである。5曲目の冒頭から涙が出そうになった。